第16話 弁当

「えー?!!!」
思った以上に驚いていてテンションが急激に高くなる

「覚えていてくれたんだ‼
めっちゃ嬉しいんだけど」

すごく嬉しいというのが顔に出てて見ていて分かった

「初めて手作りのお菓子作りました」

「えー‼そうなの?今食べていい?一緒に食べる?」

「いや、俺は昨日食べたから…」

1つ手に取り眺めながら食べる

「おいしい‼」

俺は渡したときのドキドキがまだあり心臓がバクバクしていた

この誕生日プレゼント渡せて良かったなと心から思った


それから3日後…


日山さんが二人きりの時話しかけてくる

「こないだのお返しがしたいんだけど…」

「いや、別にそんなのいいですよ」

「お弁当でも作ろうかなーと思うんだけどどう?」

べ、弁当?人に作ってもらう弁当って何年ぶりだろう?

一瞬想像して心の中でテンションが上がる

「じゃあ、お願いします」
いつもの笑顔で答える

すごい嬉しくておそらくその後も顔に出ていたと思う


次の日

「ロッカーに入れたので食べてね」

朝に会うと言われた

めっちゃ楽しみだなーと思い心はルンルン気分でいた

そして、お昼休憩になるとすぐさま自分の車に乗って弁当箱を開く

足らないかもしれないと事前に言われてて確かに量は多くはなかったがお握り2つと片手に収まるくらいの大きさのおかずで
卵焼き、ハム、から揚げ、ミニトマト、スパゲティ、野菜のお浸しが入っていた

どの高級な弁当よりも開けた時、輝いて見えて感動のあまり涙がこぼれた

涙目になりながら頬張り、量は確かに多くはなかったけど、その分作ってもらった愛情で僕の心は満たされた