第4話 目で探す
それは間違ってると言いたかった
言ったらアカゾンが傷つくと思った
言ったら泣くだろうと思った
ただ、言わないと好きな人には勘違いされたままになってしまう
隣のアカゾンは恥ずかしがってうつ向いていた
その隣の俺の好きな人は
え?そうなの?
みたいな感じで聞いていた
俺は…
否定はしなかった
アカゾンを泣かせることはできなかった
そう、それだと好きな人は勘違いのままになってしまう
ただ、俺は目の前のことしか見ることしかできなかった
それのせいなのか分からないがその年から年賀状の交換はなくなった
月日がたち、中3になると男友達通しで好きな人は誰?の話し合いになった時があった
僕は
「気になってる人はいるけど~」
と控えめに言った
その一言で好きになる気持ちが大きくなっていった
段々と意識するようになっていき同じクラスではなかったので合同の授業や休み時間とかで見掛けると目で探すようになった
教室に入るとその人を目で一瞬で探しだし、目が合うと恥ずかしくて目をそらす
また教室に入ってくると目が合ったら恥ずかしくて目をそらす
そんな風に見ていく内にその子の可愛さが僕のハートに突き刺さっていった
そして卒業になるにつれ告白をするか考えた